食べて、作って、映画観て

映画を観て食べたくなったものを食べるブログ。たまに作ったりもする。

2015年ベスト映画

2015年は30本ぐらいしか観ていないのでランキングをつけるのもおこがましいのですが、書きました。

1 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

マッドマックス 怒りのデス・ロード [Blu-ray]

映画ファンの皆様におかれましては、V8!V8!と連呼した1年をお過ごしだったかと思います。 私もその例に漏れず爆音のために立川まで出かけたり、家でベッドにジャンプして棒飛び隊を再現したりするのに忙しかったです。常軌を逸した人たちが集まってこそ傑作は生まれるという好例。

2 セッション

セッション(字幕版)

行きの飛行機の中で観て、気に入りすぎて帰りの飛行機でも観てしまいました。J・K・シモンズの鷹のような目のアップで全てを物語った最後のカットに鳥肌。

 

3 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [Blu-ray]

「一番クオリティの高かった映画はどれか」と聞かれればこれかと。全編ワンカットに見える編集手法に驚かされるのはもちろん、緻密な計算で成り立った美しさと次の瞬間どうなるか目を離せない即興のエネルギー、両方がある。その緊張感を2時間維持できてるのがすごい。そして、エドワード・ノートンエマ・ストーンはこんなにうまかったのか(なんでそんな上から目線なんだ自分)。

 

4 スターウォーズ フォースの覚醒

 


「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」予告編

 

全世界が期待している新三部作、ルーカス以外が監督するのは初ーー新監督であるJ・J・エイブラムスにかけられた重圧は発狂するレベルだったんではないかと想像します。それを克服して超絶かっこいい空中戦と素晴らしい物語を見せてくれた。観客みんなでJ・Jの胴上げしたほうがいいよ。わっしょーい!

(以下若干ネタバレ含む)

脚本にローレンス・カスダン、マイケル・アーントが入り、エモーショナルな人間ドラマが展開。ストーム・トルーパーの中の人間性なんて、今まで考えた人いなかったんじゃないでしょうか。思春期爆発中のカイロ・レンさんとか、悪の側の弱さも滑稽さも含めて描けているのがいいと思います。特によかったのが某キャラクターのハグ。映画記号としての「愛」を映すだけではなく、惑う表情をきちんと撮れている。若い新キャラクターの躍動感が功を奏し、冒険活劇としての面白さが蘇っています。

 

5 海街diary

 

海街diary

この映画はラストシーンが最高です。お世話になったおばさんが亡くなって、四姉妹が喪服で海に佇む。1年前の彼女たちの父親の葬式から始まるので、一周しているんですね。死の匂いと瑞々しい姉妹の対比は、一瞬一瞬、移り変わる時間の儚さを見せられるような気がするのです。姉妹がこうして同じ関係で、こうして同じ海を見つめることはないのだと。人生の中で折に触れて思い出すような、奇跡的な瞬間が映っていたなーと思います。

 

6 はじまりのうた

はじまりのうた-オリジナル・サウンドトラック

映画の出来という点では、言っちゃなんですが普通だと思うんです。普通だけど、それ以上に好きが勝る。サントラを聴くたびにキュンとする。歌うこと、弾くこと、音楽の楽しさが爽やかに伝わってくる。現代のファンタジーを心地よく見せてくれる一作。

 

7 サンドラの週末

サンドラの週末 [DVD]

 

自身の解雇かボーナスか。月曜の投票を前にヒロインが同僚を説得してまわる。限られた時間の中で一進一退する展開がスリリング。ラストでは尊厳を守ったサンドラを観て胸がすっとした。うつ病非正規雇用、日本でも他人事と言ってられない話。

 

8 ピッチ・パーフェクト

ピッチ・パーフェクト (字幕版)

 

しばらくピッチ・パーフェクトの曲を練習するというプチブームが我が家でおきました。バスの中で「party in the usa」を歌い出すというところがイイ!マイリー・サイラスもあの曲でいい子ちゃんアイドルから歌手に脱皮したもんね。

 

9 クリード 


Creed – Official Trailer – Warner Bros. UK

 

途中まで展開も演出もベタベタで観る人が観たらダサいって言うでしょう。いまどきコレないよって。でもあるシーンから、滝のように涙が溢れてしょうがない。若い力がシリーズを生き返らせたことに感謝しました。ロッキーがトレードマークの帽子をそっと置くとき、そこには伝説の男ではなく弱った老人がいる。病気と闘うロッキーと、試合に向かうアドニス。暗闇から大観衆の声が聞こえて、光が見える瞬間、観客は二人と共に興奮の中にいる。この映画的な一瞬が眩しい。

 

10 Mommy/マミー

Mommy/マミー [Blu-ray]

Oasis「Wonderwall」もラナ・デル・レイ「born to die」も、 この映画の中で使われると新鮮に響く。 さんざん使われた手垢のついたものに新しい生命を与えるということができる、これが「作家」と呼ばれる人の素晴らしさ。不安定な心を抱える息子と共依存の母親。いつも以上に自分ごととして見えて息が詰まりそうでありました。あー苦しい!

 

以上、2015年の偏愛映画リストでした。今年は『マッドマックス』『スター・ウォーズ』『クリード』と、人気シリーズに新しい力が加わって大成功してたのが印象的でした。